ずっと青果の業界に携わってきたのですか?

私は高校を卒業してから青果の業界にいるので、現在入社して20年目になります。
青果業界に入ったきっかけは高校生の頃、進路の先生に紹介されて勤める事になりました。
20年と言うとベテランに見えますが、自分よりまだ上の先輩の方が沢山いらっしゃいます。
入社して1年目は主に商品の積込み、配達のアシスタントをおこない、市場内ではターレットトラック(乗り物)に乗り狭い市場内を運転し、初めの頃はよく事故を起こしていました。
私は3年目に競り免許(バッチ)を取得し、入社から担当を持つまで5年ほどかかりましたが、何年で担当を持てる訳ではなく、自分で商品の卸先を開拓したり、退職により入れ替わる場合もあります。
しかし積極的に商品を卸す先を増やさなければいけないので、仲間内で仲間の客先へ営業する事も商売なのでありますし、その逆で営業されることも有りますね。
顧客がいるかいないかで給料にも響くので、できれば1件でも多く担当は持っていたいです。

競りに出るまでどれくらい時間が掛かりましたか?

試験などは無いのですが、3年間の経験と講習を受け競り免許(バッチ)を取得しました。
ですが、すぐ競りに参加できるという訳ではありません。
初めの頃は上の人が「試しに買ってみろ」と勉強のために参加させてくれたりはしますが、絶対欲しい物があるとき等、大事な場面では参加させてもらえません。
当然ですよね、危なくて任せてられませんよね。
ただバッジを持っていてもなかなか競りに参加することが難しい事を実感しました。
先輩から初めて遊びで買わせてもらったのが免許取得2年目でした。
初めは競人が何を話しているかすら全く聞き取れませんでしたし、せり人の癖やタイミング、雰囲気が人によって全然違うので、初めの頃は「遅い」と怒られたりしました。
また指の形なんかにも違いがあります。
バッジの色はバイトが緑またはピンク、3年経つと白バッジになります。

それから自分のお客さんをつかむまでにはかなり時間がかかりました。
スーパーなど大きいお客さんをとお付き合いが出来て任せてもらえるようになり、物を動かせるようになります。物を買えるようになると、不思議でしたが欲しいお客さんが集まってくるようになりました。

石田商店という会社があるというよりは、競人の高橋さんに小売店さんがついてくるというイメージですか?

いえ、もちろん会社の看板はあります。
しかし、石田商店という看板の中の一人の担当を買ってくれるというイメージかもしれません。
個人的な繋がりや付き合いは大事ですし、助け合いも必要だと思います。
この値段じゃ合わないとなった時には、会社には損をさせてしまうのですが値下げをしてお客さんに提供することもあります。
次商品がうまく競り落とせられれば、お客さんとの関係をその次に繋げられるという考えもあるので、臨機応変に対応しています。
会社としてのバックボーンはあるかと思いますが最終的には人として、お客様との信頼関係を築けているかが大切ですね。

1日の業務サイクルを教えてください

4時 起床
6時 会社に到着
   事務所でその日のオーダーを確認して競りの準備
7時 場内で競りに参加
8時 おおまかな競りが終了
   購入した商品の事務処理をする
14時、15時 仕入伝票等を打ち終わり
   ※私の担当は玉ねぎの為秋口が忙しくその時期だと19時などになることもあります。
16時頃 帰宅

繁忙期とそうでない時期で差がありますが、朝は早いぶん終わりも一般の会社より早いので、時間を有効に利用出来ます。

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